Glass Floor Maritime Desoto 2004-06-07 |
03年に発表されたデビューアルバム。前EPでネオアコースティックというマリタイムのサウンドを提示したが、今作ではその延長上にある作品だ。EPはスミスに影響を受けたイギリスのネオアコースティックが中心だった。今作ではバーズやREMなどのアコースティックロックや、バラード、アメリカのフォークソングなどの要素が加わった。
スミスの影響を感じるといっても、メンタル面では受け継いでいない。そこにはアメリカ人特有のストレートな表現と、手作りの素朴さがある。まるで焚き火をしながら夜空を見上げているようなロマンチックに浸るような心洗われる気持ちや、マシュマロのように柔らかくシュールで素朴な雰囲気が漂っている。総じて牧歌的で、のどかで、ソフトで優しい。いうなら自分を励ますような癒し系の音楽を展開している。そこが屈折した表現で惨めな自分を輝かせていたスミスとの違いだろう。アメリカ中部特有の広大で土臭い匂いがとても好感の持てるいい作品だ。