ユナイテッド・バイ・フェイト ライバル・スクールズ ユニバーサル インターナショナル 2002-06-05 |
01年に発表されたライバルスクールズの1St。デビュー作にしてラストとなった作品。前バンドのゴリラビツケッツやクイックサンドと違い、ここではハードコアサウンドを全面に出していない。メロディーやギターフレーズを中心としたオルタナティヴロックを展開している。レイジ・アゲンインスト・ザ・マシーンからエコー&ザ・バニーメン、ネオアコなどにインスピレーションを受けたギターフレーズを、暗く内省的に咀嚼し吐き出したのがライバルスクールズの特徴だ。
中心メンバーであるウォルターは、NYハードコアというマニアックで特定のシーンを意識したバンドではなく、オルタナティヴなロックがやりたくて、このバンドが結成されたようだ。だからもっと幅広い層をターゲットとしている。そのためサウンドは上記2バンドよりも、メロディアスで軽く、ハードコアの重さや荒々しさといった要素はあまりない。前EPよりもさらにギターフレーズを厳選し、こだわりぬいたサウンドだ。ギターフレーズにこだわっているからといって、決して散漫な印象はない。アルバム全体を支配している空気は、寒さで一人凍えているような惨めな孤独と悲しみが満ちた想い。そこにはどんよりと曇ったNYの灰色の空をイメージさせる雰囲気が漂っている。
個人的には、クイックサンドの重く暗く殺伐とした雰囲気が好きだが、このバンドの軽やかな雰囲気もいい。なによりウォルターのギターフレーズに対するこだわりや実験性、新しいサウンドを追及する意欲などは評価できる。ちなみに06年には再活動をし、09年には復活ライヴも展開された。だがいまのところ再結成アルバムを発表する予定はないようだ。