Under Soil & Dirt THE STORY SO FAR ザ・ストーリー・ソー・ファー ICE GRILL$ 2011-07-05 |
サンフランシスコはイースト・ベイ出身の、メロディック・パンク・バンドの11年に発表されたデビュー作。このバンドの特長は、メロディックパンクの伝統を受け継ぎ、先人たちのサウンドを総括しているところにある。しかもほかのジャンルからの影響は皆無で、メロディック・パンク以外は聴いた事がない思われる。メロディックパンクをとことん追求し、純粋培養したサウンドだ。
やはりこのジャンルでは先駆者にあたるブリンク182からの影響が強く、そこに青春コーラスやシンガロング・ボーカルを加えている。そこには中期テイキング・バック・サンディからの影響を感じ、ハンマーを振り下ろすような重いリフからは、ニュー・ファンド・グローリーの影響を感じる。断片的に鳴り響くキラキラ・メロディーからは、スターティング・ラインの影響を感じ取る事ができる。メロディック・パンクを徹底的に研究しているのだ。各バンドの良いとだけを取り入れたハイブリットなサウンドだ。
メロディック・パンクでブレイクしたバンドとは、切ないポップソングをメロディック・パンク化したオール・タイム・ローや、R&Bなどの黒人音楽を消化したフォール・アウト・ボーイなど、他所からのジャンルをうまい事メロディック・パンクの消化したバンドが売れている。
そういった意味ではさほど目新しいサウンドもったバンドではないが、その世界観がすばらしい。その世界観とは、人生のすばらしさを歌った人生賛歌。キラキラ光るメロディーからは希望に満ち溢れた純粋さを感じる事ができるし、少年のあどけなさが残る熱い歌声のボーカルからは、辛い事があってもへこたれず頑張りぬくガッツを感じる事ができる。カラッと明るくポジティブで人生のすばらしさを歌っている。まさに西海岸の伝統の明るさを受け継ぐ次世代のメロディック・パンク・バンドなのだ。