The Locust(ロカスト)やDead Cross(デッドクロス)などのメンバーで知られるサンディエゴのパンク名士Justin Pearson(ジャスティン・ピアソン)が結成した新バンド。Struggle(ストラグル)からSwing Kids(スウィング・キッズ)、ロカスト、The Crimson Curse(ザ・クリムゾン・カース)、Holy Molar(ホリー・モーラー)、SOME GIRLS (サム・ガール)、Head Wound City(ヘッド・ウォンド・シティ)、All Leather(オール・レザー)、RETOX (レトックス)、デッドクロス、Planet B(プラネットB)と、いままで数えきれないほどのバンドを結成しては、休止?解散?を繰り返してきたジャスティン・ピアソン。そして今回も、おそらくすぐ休止(現在ロカストを再結成)してしまうのだろう。
アルバム・タイトルが『現代の病気』と名付けられたDeaf Club(デフ・クラブ)の5曲入りのEPは、デリンジャー・エスケープ・プランのようなマスコアに、デジタル音を合わせた奇怪なデジタル・ハードコア・と呼ぶべきサウンドに仕上がっている。
線香花火のように激しく燃え散るブラストビートや、1分で終わるファストなグラインドコアに、ストップ&ゴーや、神経に触る不快なデジタル音、マスコアのカオティックな要素が、サイケデリック模様のように混沌としたサウンド。
そこには制御の失ったコンピュータのような、荒れ狂ったカオスがある。まるであらゆるプレッシャーや緊張感に押しつぶされ、締め切りに追われ、正しい判別がつかなくなるほど目まぐるしく、精神が錯乱するカオティックな混乱なのだ。
ジャスティン・ピアソンがバンドを結成しては解散を繰り返す理由には、おそらくバンドごとに異なるスタイルの音楽性を求めているのと、初めてバンドを組むときだけ得られる初期衝動を求めているからではないか。いままで組んだ全バンドの作品を通じて感じる新鮮さと緊張感は、初めて組むバンドメンバーでしか感じることのできないアンサンブルがある。
なれ合いのなかで生じてくるマンネリ化を極端なほど嫌い、つねに緊張感のなかで新しい刺激を求めている。それがジャスティン・ピアソンのパンクなのだろう。今バンドでも新しいサウンドを展開している。