illiterates (イリタレイツ)
『LP』

ペンシルベニア州はピッツバーグ出身のハードコア・バンドのデビュー作。白人とインド人のメンバーからなるバンドで、<読み書きができない>という意味のバンド名が示す通り、社会不適業者でダメ人間的なアティテュードを掲げたバンドだ。

 

19年2月に発表された『デモ』は、Youth of Today (ユース・オブ・トゥデイ)をパンクのように音を軽くしたサウンドだった。19年9月に発表された『1Fall Tape 2019(フォール・テープ2019)』は、NEGATIVE APPROACH (ネガティブ・アプローチ)のようにゴリゴリしたハードコアなサウンドだった

 

そして集大成とでも呼ぶべき今作では、歌いまわしやギターのリフからはNEGATIVE APPROACH (ネガティブ・アプローチ)とYouth of Today (ユース・オブ・トゥデイ)の影響をところどころに感じさせるが、彼らしかありえない、オリジナルティーを確立している。

 

ボーカルの歌い方は挑発的な怒声に変わり、ギターはノイズまみれのサウンドに変化を遂げた。シンプルなオールド・スクール・ハードコアをベースにしているが、音の歪みまくったノイズ・ギターが、全体の印象を攻撃的なものにしている。まさに挑発的なハードコアなのだ。

 

歌詞には、反キリストから、ろくでなし、愚か者、ノーフューチャーなど、社会不適業者的なアンモラルさを感じさせる内容が多い。シリアスさや不良のような恐れおののくような怖さはない。どちらかといえば、ダメ人間のような近寄りがたさを感じるバンド。ダメ人間のダメ人間による、ダメ人間のためのハードコアなのだ。

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