ニュージャージー州出身のハードコア・バンドの2作目のEP。女性ボーカルを中心としたバンドで、そのサウンドは初期パンクやオールドスクール・ハードコアをベースにしたハードコア・パンク。作品を重ねるごとにノイジーにラウドに激しくなってきた。
挑発的なメロディーで攻撃的な感情を煽っていくギター。甲高くもなく適度にドスの効いた女性ボーカルのデス声。シンプルでオールドスクールなハードコアパンクで、息つくひまのないほど、終始間段なく、怒りをぶちまけたサウンドを展開している。
『VIOLENT CLOSURE(暴力的な閉鎖)』と名付けられた今EPでは、怒りや自分を鼓舞するような歌詞が多い。“ASSUMPTION”では、思い込みや証拠なしに決めかかることに対し批判をし、“BITCHMADE”では、嫌な女を作ると歌っている。“FREAK”は変人、“TURBULENCE”は乱気流など、自分に対する内省や、自分が出会った嫌な奴に向けた内容が多い。まるで抑圧された感情をマグマの噴火のように爆発させる怒りの衝動がそこにはあるのだ。
サウンド的には、ゴリゴリのハードコアだが、ビジュアル面でところどころに70年代のガールズファッションを取り入れている。70年代のガールズファッションとハードコアの融合がなされている。そういった部分では、若干の新しさを感じる部分もある。ゴズとロリータ・ファッションが融合してゴズロリという新しいガールズファッションが生まれたように、もしかしたらGEL(ゲル)がきっかけで、ガールズファッションとハードコアの融合という、新しいガールズファッションが生まれる可能性がある。そんなポテンシャルを感じさせるバンドなのだ。