オーストラリアはシドニー出身のビートダウン・ハードコア・バンドのデビューEP。MADBALL(マッドボール)やMERAUDER(メラウダー)から影響を受けたビートダウン・ハードコアで、クロスオーバー・スラッシュなギターソロや、ヨーロッパ・ビートダウン・ハードコアの金属的な要素を加え、ハイブリットに進化したサウンドを展開している。
ギャング・アティテュードのど真ん中を行くバンドで、歌われている内容は、差別や迫害、恐怖など。バンド・メンバーが東南アジア人のためか、コロナパンデミック以降、アジア人に対するヘイトクライムが増加し、差別や迫害を多く受けたそうだ。そのことに対する怒りや恐怖をここでは歌っている。
ヒップホップな歌い方に怒りのリズムに乗せ歌うボーカルの怒声や、緊迫感と重厚感に満ちたサウンドからは、ヘヴィーな感情と迫力が伝わってくる。シンガロング・スタイルのボーカルに、ザクザク刻むギターのリフや、ギターソロを融合し、重厚な金属的な音と合わせる部分では、アメリカとヨーロッパのビートダウン・ハードコアのいい部分を合わせたハイブリットさを感じる。ビートダウン・ハードコアの最先端をいく進化系で、彼らしかありえないオリジナルティーもある。個人的には今後がかなり注目のいいバンドだ。