スウェーデン出身のエモーショナル・ハードコア・バンドのデビューEP。やEMBRACE(エンブレイス)やDag Nasty(ダグ・ナスティ―)、TURNING POINT(ターニング・ポイント)に影響を透けたメロディックなエモーショナル・ハードコア。
野太いギターに火花のようなメロディーが絡む展開は、アメリカのエモーショナル・ハードコア・バンドとさほど変わらない。だがアメリカのバンドとは違い、スウェーデンのバンドならではの魅力がそこにはある。それはメロディーひとつひとつに感じる情緒深さと味わいがある。まるで自分の投げかけた問いが、波紋のように広がるように反響していくメロディーが、力強さのなかに臆病で弱い自分が見え隠れしているボーカルの歌声とともに心に突き刺さってくる。<死んだり失っていくことが怖い>や、<光のなかで踊る自分の物語>、<友情が消え~燃え尽きる>と歌う歌詞が象徴しているのように、そこには詩的なほどロマンチックで、ナイーブでセンチメンタルな感情に満ちている。
Millencolin (ミレンコリン)にしてもそうだが、冬空のようなちょっと哀愁ある独特なメロディーと、等身大の自分の弱さというか、脆さのような、アメリカのバンドではあまり感じることのない特有の情緒深さがある。Feels Like Heaven(フィールズ・ライク・ヘヴン)からも、そんなスウェーデンのバンド特有の情緒を感じるのだ。