ミルウォーキー出身のパワーバイオレンス・バンドの20年に発表されたデビューEP。パワーバイオレンスにALL OUT WAR(オール・アウト・ウォー)のニュースクール・ハードコアの野太いサウンドを融合したサウンド。まさしく新世代を代表するパワーバイオレンスだ。
スローテンポから高速にスピードが増していく曲展開や、ファストで2分以内に終わる曲などは、パワーバイオレンスそのものだが、このバンドが新世代のパワーバイオレンスである理由は、そのサウンドにある。野太い轟音がうねるベースから、メタリックで重厚で重いギター、超高速ブラストビート、怒りに満ちた怒声、ファストながらも終始スローな曲など、新しい要素を加え、パワーバイオレンスにメタリック・ハードコアな要素を加え、重く金属質にヘヴィーに進化させた。
World I Hate(私は世界を憎んでいる)というバンド名通り、歌詞は怒りと憎しみについて歌っている。“Never Worse(ネバー・ワース)”では、クズだらけの世界、第三次世界大戦を開始しようとしていると政治家を批判し、“Panopticon(パノプティノコン)”では、彼らの欲望のために、奴隷のように働かされ、私たちの労働を安く買い取ると、看守がすべての囚人を効率よく関するシステム、パノプティノコンに例え、資本家へ憎しみと怒りを歌っている。警官が大好きで自由を叫ぶと、白人至上主義への怒りを歌った“White Trash Compactor(ホワイト・トラッシュ・コンパクター)”、選挙の年、嘘と恐怖のメッセージ、小切手を回収と、選挙制度の賄賂を歌った“Painting Houses(ペインティング・ハウス)”など、World I Hate(ワールド・アイ・ヘイト)が感じたあらゆるヘイト(憎しみ)を歌っている。
ポリティカルな歌詞に、パワーバイオレンスにメタリック・ハードコア融合したサウンド。怒りに満ちた歌詞とオリジテルティーあるサウンドにも共感が持てる。まさに新世代のパワーバイオレンスだ。個人的にはかなり好きなバンド。