Remain Sane (リメイン・セイン)

チェコ出身のストレートエッジ・ハードコアバンドの4曲入りのデビューEP。Ebullition Records(エヴシューリョン・レコーズ)のコンピ『XXX – Some Ideas Are Poisonous』に触発され結成されたバンドで、レーベル・オーナーであるKent McClard(ケント・マクラード)の<ストレート・エッジは有毒なアイデアで、あなたの人生を破壊する。そして疎外感を残す。致命的なアイデアだ。>という、ストレートエッジになると、セックスや酒やドラッグという、この世の楽しみや快楽を止めることになり、孤独を覚悟しなければならないという考えに影響され、バンドを始めたそうだ。

尋常でない怒りの怒声ボーカル、COCOBAT(ココバット)のように複雑なリズムをザクザク刻むギターのリフ、ミディアムテンポで言葉の重さをじっくりと聴かせるドラム、ここで展開されているサウンドは、90年代の初期Downcast(ダウンキャスト)の影響が強いスクリーモよりのポスト・ハードコア。

歌詞は、<痛みを理解すると本物になる>や、<私が探し求めているのは何か?>、<信念を貫くことがどれほど難しことか>など、挫折で挫けそうになったり、快楽や誘惑に負けそうな弱い自分との闘いなど、内省的な内容が多い。まるで厳しい修行で心身を厳しく鍛錬する僧侶のように心理を求道するストイックなストレートエッジ・ハードコアだ。

90年代のスクリーモよりのポストハードコアで、ノスタルジックでオリジナリティーこそ希薄だが、ストイックな気迫は尋常でない決意の強さを感じるバンドなのだ。