ロードアイランド州プロビデンス出身の、新世代スクリーモ・バンドの2作目。これが新世代スクリーモの最先端を行く作品に仕上げっている。TOUCHE AMORE(トゥーシェ・アモーレ)の手によって、skramz(スクラムズ)と呼ばれていたころのスクリーモが新しく蘇った昨今、新世代のバンドたちによって、新たなスクリーモ・シーンが活気を増している。
Dreamwell(ドリームウェル)は、まさに新世代のスクリーモを代表するバンドで、TOUCHE AMORE(トゥーシェ・アモーレ)より激しく繊細で、ドラマティックで完成度の高いメロディーが彼らの特徴だ。スクリーモとポストハードコアとメタルコアの融合という書き方をすると、陳腐なサウンドのように聞こえてしまうが、いままでのバンドなかったメリハリがすごい。
繊細でデリケートにソフィスケートされたメロディー。そこに嘆きのスクリームとメタルコアの激しいギターが重なり合う、弱さや脆さとを怒髪天を衝くような激しさが同居したアンビバレンスな展開。極端なまでのメリハリがすごい。
今作では前作以上に、絶叫度と激しさの増した作品に仕上がっている。とくにメタルコア・ギターの激しさが増している。まるで業火のような苛烈な怒りと激しさで、つもりに積もった憤懣と鬱積を、優しくドラマティックなメロディーが急速に洗い流すような展開。
日本語で『悲しい夢の中で、私はあなたの隣にいる』という意味の今作では、破綻した精神世界と苦しみに満ちた内容が多い。<記憶に小さな亀裂が入った。頭の中の穴から命を吸い取ってください。>や<私は吊られた死体でいっぱいの空に意味を探しています>といった歌詞からは、まるで若きウエルテルの悩みのような、純粋さと手つかずの無垢な苦しみや疲れ果てた死への憧憬がある。
個人的には今年発表された作品のなかでベスト1。新世代スクリーモの最高傑作で、近代ヘヴィネスを合わせても、おそらく今年のベスト10には入ってくる、素晴らしい作品だ。