Anal Trump (アナル・トランプ) – Fuckin' Bitch EP(ファッキン・ビッチ EP) (2025)
サンディエゴ出身のグラインド・コア・バンドのじつに8年ぶりとなる6作目のEP。トランプ大統領を嘲り皮肉たっぷりに冷笑したとして知られているバンドだが、今作ではさらに怒りを増した作品に仕上がっている。
『Fuckin’ Bitch(ファッキン・ビッチ)』と題された今作では、新たにヴォーカルとして Justin Trump(ジャスティン・トランプ) が参加している。Locust(ロカスト)や Dead Cross(デッドクロス)などのバンドを結成したことで知られ、サンディエゴ・ハードコア・シーンを象徴する存在でもある彼の加入によって、作品はこれまで以上にハードコア色が強まり、より攻撃的な仕上がりとなっている。
ミネソタ州ミネアポリスで移民・税関捜査局(ICE)捜査官によって市民が射殺された事件を受け、怒りのインスピレーションで制作したと思われる今作では、トランプへの怒りが貫かれている。
歌詞は、Justin(ジャスティン)の個性がより色濃く反映され、「今じゃ笑えないだろ、マザーファッカーズ」「ICE〜3万ドルのボーナス」「ローマ式敬礼」など、直截的な怒りを示す表現が多い。一方で、「トランプタワーの最高級レストランでタコサラダ(メキシコ風サラダ)を食べる」といった、トランプを嘲笑するようなTravis(トラヴィス)のシニカルでブラックユーモアに満ちた歌詞は薄れている。
サウンドからは、人を小馬鹿にしたようなふざけたコーラスが消え、代わりにJustin(ジャスティン)の絶叫が強烈な印象を残す。ギターも煽情的な音色で、ひたすら怒りをかき立ててくる。シンプルなハードコアの“ネイキッドな怒り”がむき出しになった作品だ。
なお、売り上げのすべて(利益の100%)は、移民保護プロジェクトおよび全米移民法センターに寄付される。