Deadguy(デッドガイ) – Near-Death Travel Services(ニア・デス・トラベル・サービス) (2025)
じつに30年にぶりとなる2作目。30年前に発表された『Fixation on a Coworker(フィクセイション・オン・ア・コーワーカー)』は、トリッキーで神経質なギターが特徴で、メタルコアにフュージョンを融合したハイブリッドなメタルコアで、メタルコアからマスコアへと進化していく中間点にあるサウンドだった。
30年ぶりとなる今作でも変わらず、メタルコアとマスコアの中間にあるサウンドを展開している。不協和音のギター、混沌としたリズム、Tim Singe(ティム・シンガー)の辛辣な叫びなど、昔から変わらないDeadguy(デッドガイ)の特徴が生かされている。だが前作と比べると、よりパワフルで重厚なサウンドに仕上がっている。ギターは野太く重厚になり、ビートダウンパートなどを加え、よりハードコアの熱気と屈強さが前面に出ている。
歌詞も「俺たちは異端者だ。知性という仮面を被った自信が蔓延る世界で、この世界に居場所があることを信じよう」や「お前の誇りは美徳ではない。お前の信念は傲慢だ」など、強欲に満ちた個人主義者たちへの罵詈雑言のような批判がテーマになっている。
日本語で『臨死体験旅行サービス』という意味のアルバム・タイトルは「死んだ男」というバンド名に由来し、憎しみと個人的な葛藤に満ちた歌詞とシニカルなアルバム・タイトルは、まさにタフガイコアと呼べる内容だ。
30年ぶりの作品なのに、変わらない皮肉に満ちた歌詞と熱気。マスコアのマッドさがいささか熱気に満ちた屈強なハードコアに微妙に変化したが、30年という月日を感じさせないすごい作品だ。