テキサス州はオースティン出身のニュースクール系ハードコア・バンドのデビューデモ。U.N.I.T、Judiciary(ジュディシアリー)、Breakout(ブレイクアウト)のメンバーからなるバンドで、90年代東海岸スタイルのハードコア。
Biohazard(バイオハザード)をさらにノイジーにヘヴィーに仕立て、メタルを徹底的に排除し、ミドルテンポで、グルーヴィーで、ビートダウンなどを取り入れたサウンドが特徴。音が歪まっくたノイズの嵐のようなギターと、グルーヴィーで重いサウンドの融合は今までなかった。
歌詞は「破られた誓い(さよなら)」「人生の陰影」など、裏切りや人生のダークサイドに焦点を当てている。
90年代東海岸スタイルのハードコアがベースになっているが、サザンロックのような要素もほんの少し取り入れ、ユニークなサウンドを展開している。もう少しサウンドがブラッシュアップされれば、大物に化けそうな可能性を感じるバンドだ。
アルバムレビュー
PARADISE(パラダイス)
One Track Mind(ワン・トラック・マインド)
『DEMO』
カナダはケベック州モントリオール出身のデモコア・バンドのデビューデモ。デモコアとは、2010年代にカセットテープのデモ音源などの小規模な音源リリースのバンドたちに付けられた言葉で、古いデモのようなアルバム・ジャケットが特徴。
そのサウンドはカナダのレジェンドD.O.Aを髣髴とされるようなハードコア・パンク。2コードでメロディックな挑発的なギター、けたたましいスピードの焦燥感にあふれたドラム、簡潔な言葉を吐き捨てるヴォーカル。
歌詞からは、「人生は続く」、「一途な心」など、困難に立ち向かい信念を貫こうとする真面目な姿勢が伝わってくる。
サウンド的なオリジナルティこそ希薄だが、デモコアらしい、ハードコアをやりたいという衝動と、D.I.Yの手作りにこだわっている。情熱とエネルギッシュさが魅力の作品。
NO IDOLS(ノー・アイドルズ)
『DEMO 2024』
ジョージア州アトランタ出身のハードコア・パンク・バンドのデビューデモ。シンプルな2コードのギターとスピーディーなドラムが疾走していくハードコア・パンクを展開。
バージニア州リッチモンドのGovernment Warning(ガバメント・ウォーニング)や、カナダのCareer Suicide(キャリア・スーサイド)などからの影響を受け、よりエネルギッシュに、スピーディーに、ファストに、パワーアップさせた。無駄なぜい肉を削ぎ落し、ネイキッドな部分をむき出しにした尋常でないエナジーがすごい。狂ったようなスピードと、分厚いギター、怒声ヴォーカルの絶妙な絡みが、すごい。
歌詞は「やる気をなくす」「骨抜き」「闘争ゲーム」「寛容の家」など、苛立ちを歌っている。
「アイドルは不要」というバンド名が示す通り、自分が気に入らないものに唾を吐いている。
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