Empire Strikes First Bad Religion Epitaph / Ada 2004-06-07 |
前作よりもさらにスピード感と勢いが増し、激しくなった04年発表の13枚目。ノイジーで分厚いギターサウンドと、荒々しいスピード感でヘヴィーなパンクの曲が増えた。今作は、災厄が降り掛かるような恐怖から、苦難を乗り越え、考えさせられるような、サウンドの流れがある。その内容は、キリスト・イスラム原理主義や保守政権のブッシュを、徹底的に批判。とくにテーマとして取り上げているのが、9.11以降のアメリカと、アフガニスタン、イラク戦争。ブッシュ政権がどれだけ、アメリカ国民と世界の人たちに被害を与えたのか、などについて歌っている。たとえば“ゴット・オブ・ラヴ”では、正義という名のもと、罪のない人々を殺していく、キリスト・イスラム原理主義を非難しているし、そして最後の“リブ・アゲイン”では、自爆テロについて歌っている。そこでは、自分の命を捨ててまで原理主義は大切なのか?ほかに正しい心理と選択があるはずだと問いかけている。
結局のところ、9.11の報復をすれば、さらなるテロが起きる。憎しみがさらなる憎しみを生むという負の連鎖から抜けだせない。保守主義は、自分たちの利権や利益を守るため、戦争を起こす。もっと他人の意見を受け入れ、リベラルな考えで、戦争以外の解決方法を模索していこうと、ここでは訴えている。
なお、この年にはNOFXが反ブッシュ政権を呼びかけるROCK AGAINST BUSHにも参加している。全アルバムのなかでもかなりポリティカルなメッセージが強い作品だが、ぼくは好きだ。