ニューヨークはスタテン島を拠点としているハードコア・バンドの17年に発表された6曲入りのデモ。彼らもまたニューヨーク・ハードコアをこよなく愛し、その伝統を誇りにしているバンド。
そのサウンドは、Killing TimeやBreakdown直系の極悪ハードコア。ヒップホップの歌いまわしと、メタリックな要素は一切ないシンプルなギターが魅力のオールドスクールなハードコアだ。ニュースクール・ハードコアの先駆けとなるスローパートやOi、ヒップホップの要素を1割ほど加え、9割のベースとなるオールドスクールなハードコアに、エッセンスとして加えている。日本では極悪ハードコアと呼ばれた不良の匂いがするギャング系のサウンドだ。
彼らもまたKilling TimeやBreakdownと同様に、アウトサイダー的なスタンスで活動している。歌っている内容は、未来への不安や恐怖、パラノイアに、夢が壊れた悲惨さなど。だがそこには最悪な状況に立たされても生き残るために戦っていく闘争心、熱さがある。熱く燃え滾っているその精神がこのバンドの魅力なのだ。