Vapen & Ammunition Kent Imports 2012-02-07 |
前作よりもバラードが増え、メロディーの中心がギターからピアノ、キーボードに変わった02年発表の6作目。この作品からスウェーデン市場一本に絞ったためか、全体を通じて暗い曲が多い。だが7曲目以降、厳しい冬が終わりを告げ、雪解けする暖かな春へと向かえるように、徐々に穏やかにほのかに明るい曲が増えていく。考え悩んでいるような思慮的な暗さから、徐々に問題が氷解し、解決していくような展開だ。アルバム全体の流れで考えれば、イギリスやアメリカのアーティストではない独特な展開といえるだろう。
今作ではR&B調のリズムを中心にした曲や、音数を減らし空間を活かした曲、スウェーデン語で歌われる独特なコーラスの曲も増えた。口笛でメロディーを構成する3曲目では、07年にブレイクしたPETER BJORN AND JOHNに多大な影響を与えているのが理解できる。
個人的には綺麗なメロディー重視した前作好きだ。だがこの作品の魅力は、一度聴いたら忘れられない独特なメロディーと、暗い憂鬱さにあると思う。そういった意味では前作よりもインパクトが強い。スウェーデン人らしい作品といえる。