Forced Order(フォースド・オーダー)
『Eternal War(エターナル・ウォーEP)』

ソウル・サーチ、トウィッチング・タングス、ディスグレイス、ハーネスなどのメンバーによって結成されたフォースド・オーダーの14年に発表された8曲入りのデビューEP。

 

インテグリティー、 イン・コールド・ブラッド、リングウォ-ムなどのバンドからの影響を受けて始めたらしいが、総じてスピーディーで重くグルービィーなハードコア。イン・コールド・ブラッドに影響を感じるのは、重く金属的でグールィーなギターのリフ。カルト的なメロディーのギターソロからは、インテグリティーからの影響を感じる。そしてピップホップの要素が混ざったボーカルの歌い回と矢継ぎ速に繰り広げられるスピード感からは、リングウォームの影響を感じる。90年代のグルーヴィーで金属質なニュースクール・ハードコアを、スピーディーに進化させたサウンドなのだ。

 

普段はソウル・サーチ、トウィッチング・タングス、ディスグレイス、ハーネスという異なるバンドで活動している彼らがこのバンドを結成した理由は、おそらく4つのバンドのケミストリーを期待して、このバンドを結成したのだろう。カルト的とデス的な要素はトイッチングとディスグレイス。スピード感はハーネス。ボーカルの歌い回しはソウル・サーチ。ソウル・サーチ、トウィッチング・タングス、ディスグレイス、ハーネスという4つのバンドの個性と、インテグリティー、 イン・コールド・ブラッド、リングウォ-ムという3つの影響を受けたバンドの部分とが、混ざり合ったサウンドを展開しているのだ。

 

サウンド的にはいろいろな要素が混ざっているが、アティードは前者のバンドとは全く異なるスタンスを貫いている。ここには悪魔崇拝や死神を崇めるようなカルト的な要素はない。あるのは社会に対して攻撃的であるアグレッシヴなハードコアだ。怒りの言葉を捲くし立てる気合の入ったボーカルと、苛立つ性急なスピード感、怒りを叩きつける金属的なギターサウンドからは、このバンドが反体制側のスタンスに立って、怒りや不満をアティテュードに掲げていることが理解出来る。これはメルファンクションとは異なる別のアプローチからのニュースクール・ハードコアの進化系なのだ。