Epics in Minutes Fucked Up Deranged Records 2008-05-11 |
04年に発表されたシングル集。ファックド・アップの原点を収録した作品で、実質的な意味でデビューアルバムとなる。いまも昔も彼ららしさは失われていないが、まさしく初期衝動に溢れた作品といえる。
その内容だが、1,2,6,9曲目は04年発表の『Litany』。3,4は03年発表の『Baiting The Public』。7は02年発表の『Police』。8は02年発表の『No Pasaran』。12は03年発表の『Dance of Death』。14~21は、02年の一番最初に発表された『デモテープ』から。そして5,10,11,13は未発表曲。5枚のシングルとデモテープ、未発表曲が4曲の、計21曲が収録されている。
とくに“ベイティング・ザ・パブリック”は、3,4の2曲に分かれているが、06発表のデビュー作『ヒッデン・ワールド』では、この2曲が結合され、尺がやや長めに伸びている。
肝心のサウンドだが、ど真ん中をいくハードコアサウンドで、怒りに満ちた初期衝動が印象的だ。とくにバンドを始めてころのライブを収録された『デモテープ』では、ゴリゴリのハードコアを通り越して、カオティックなサウンドを展開している。砂嵐のようなノイズのギターと、地獄の怨霊のようなデス声、マシンガンのようなドラムが印象的だ。まるでブルータル・トゥルースをそのままカヴァーしたようなサウンドだ。
演奏の技術や自分たちにしかないオリジナルなサウンドを追求しているというよりも、とにかく自分たちの好きなバンドを模倣し、内面にたまった怒りを吐き出そうという意識が垣間見れる。それが彼らの初期衝動なのだ。この作品以降、いい意味は彼らはオリジナルティーを追求し始める。ここでは怒りを吐き出すという意識のみで作品が作られている。そんな純粋な彼らはこの作品でしか味わえない。そういった意味では貴重な作品なのだ。