![]() | スキップ・スクール、スタート・ファイツ ヒット・ザ・ライツ Kick Rock MUSIC 2009-04-01 |
ボーカルがコリンからニック・トンプソンに代わり、08年に発表された2作目。やはりボーカルが代わったため、曲全体の雰囲気も変わった印象を受ける。素のままの姿をさらけ出すのが魅力だったコリンとは違い、ニックの声は優しくもなめらか。まるでモーションシティー・サウンド・トラックのジャスティンような歌いかたで、思いやりと慈しみにあふれている。
持ち前のリズムに重点を置いたミドルテンポな曲も、ピアノやデジタルな要素も加わり、パワーアップ。青春コーラスやシンガロングなどを、ギターのリフでメロディーを構築したアメリカンポップスな要素をメロディックパンクにうまい具合にブレンドしている。
歌詞は相変わらず恋愛やファッションに流されず自分を持てといった内容ばかりだが、別れや失敗といったネガティヴ要素も、ほんのちょっとちりばめられている。どうやらいろいろと苦労を経験したようだ。そこには粗削りな若さよりも、落ち着いた大人の雰囲気が漂っている。まるでどんより曇った空が徐々に晴れていくような控えめな明るさ。それがなんとも心地よい作品。