Direction Starting Line Virgin Records Us 2007-07-29 |
07年発表の3枚目。このアルバムを最後に、休止活動を宣言した。従来のメロディックパンクから、オーセンティックなアメリカンロックへ変貌を遂げた作品。いままでにないメロディーアレンジで、新境地を開いたが、パンクバンドの宿命どおり、彼らもやはり1stの初期衝動を超えることが出来なかった。
ここでも前作同様にスピード感と勢いはない。ハードロックテイストや、民族楽器、カリプソテイストなどを取り入れ、メロディーに重点を置いている。もはや初恋の初期衝動やスウィートなラブソングはない。あるのは激しさのなかにある憔悴した感情と、南の島でゆっくりとしているような心地よいやすらぎ。歌詞も<ぼくはずっとひとりぼっちだった。君のいない場所で>や、<年を取っても忘れないよ、みんなで歌ったこと>とか、バンド活動に対して息詰まってしまったかのような内容が見受けられる。
もしかしたらツアーに明け暮れる日々で、疲れきってしまい、南の島でゆっくり休みたい気持ちになったのかもしれない。あるいは自分たちのやりたいサウンドをやりつくし、方向性を見失ってしまい、バンドが息詰まってしまったのかもしれない。おそらくそれらの気持ちが、休止宣言へと結びついたのだろう。そんな彼らの歴史とは、光ある希望を求めバンドを始め、迷いや戸惑いが生じ、バンドを休止した。そんな青春の一ページを切り取ったバンド活動だった。