ペンシルベニア出身のドゥーム系ハードコアのデビュー作。EP2作を発表した後にリリースされたフルアルバム。近年CODE ORENGE(コードオレンジ)やボストンのVEIN(ヴェイン)のブレイクで、ゆったりとしたスローテンポのリズムのダウナー系ノイズ・ハードコアと、グラインドコアやストナーロックやブルータル・メタルなどのアッパー系ハードコアが合体したサウンドスタイルが流行りつつある。
彼らもその一翼を担うバンドで、同郷であるCODE ORENGE(コードオレンジ)と同じサウンド路線だ。だがコードオレンジとの違いは、激しさの後に襲う不気味な静けさなどの緩急のうまい部分にある。
そこにはまるで葬式のような厳かな雰囲気と深い絶望がある。真っ暗な静謐のなか背後から忍び寄る恐怖。激しさのなかにある精神を統一させるような落ち着き。そんなダウナーな感情が渦巻いる。
近年、激しさのなかに落ち着きを見出すスタイルのハードコアが流行りつつあるようだ。そういった意味では最先端を行っているバンド。これからのハードコアを代表する素晴らしい作品のひとつだ。