Repeat Offender(リピート・オフェンダー)
『Demo (デモ)』


ロスアンゼルス出身のハードコア・バンドのデビュー・デモ。アメリカでは珍しい、CRASS(クラス)やDischarge(ディスチャージ)、Sham 69 (シャム69)などのイギリスのパンク/Oi/ハードコアから影響を受けたバンド。バリバリ響くノイズギターを中心に、骨太で荒々しく扇情的なサウンドを展開している。

 

【犯罪を繰り返す者】というバンド名が示す通り、ギャングのような精神姿勢をもったハードコア・バンドだ。“Prime Suspect(第一容疑者)”では、<あなたは誰の味方なの?>と歌い、“con job(詐欺の仕事)”では、<一度だけ俺をだましたらお前の恥、二度も俺をだましたのなら俺の恥>と歌っている。また“Debt Collection(債権回収)”では、<借金を取りに来る>債権回収者の気持ちと歌い、“Fraudulent(詐欺)”では、<誇りはない/あなたは臆病者です/あなたに芯がないことを知っている>と、と詐欺師の心理を歌っている。

 

そこに気合や怒りなどの感情や熱量を感じ取ることができるが、向かっている方向があまりにもネガティヴだ。詐欺師の心理や、騙されるものの愚かさ、猜疑心からくる怒りなど、負にまみれた感情だ。

 

ハードコアといえば、マッチョな暴力性やギャングのような不良性、ストレートエッジのような禁欲性に、政治やアンチ・レイシズムなどのポリティカルな内容を歌ったバンドに大別されるが、そのなかでも彼らのアティテュードは異質だ。お金、猜疑心、裏切りなど、あまり人に共感されることのないテーマを歌っている。

 

サウンド自体にこそ目新しはないが、今まで歌われることのなかったテーマを掲げ、ここまでお金にまつわる内面心理を持ったバンドもいないだろう。

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