SPY(スパイ)
『SERVICE WEAPON(サービス・ウエポン)』

カルフォルニアはベイエリア出身のハードコア・バンドのデビューEP。近年、コンピレーションアルバム『Ground Zero(グラウンド・ゼロ)』やNAILS (ネイルズ)、Blazing Eye(ブレイジング・アイ)、warthog(ワットホッブ)、Cadaver Dog(キャダーバー・ドッグ)などのノイズ系ハードコア・バンドが、ニューヨークのハードコア・シーンで流行しつつあるが、彼らもその流れに呼応して、ノイズ系ハード・コアなサウンドを展開しているバンド。

 

たいていのバンドはChaos UK (カオスUK)などのUK初期ハードコアをベースにしたノイズコアを展開しているが、SPY(スパイ)はイギリスのバンドからの影響は感じられない。Siege (シージ)などのアメリカのファスト・コアからの影響が強く、あえて音を悪くした録音状態で収録したノイズ・コアを展開している。

 

音が割れすぎて不快さを感じる警告音のような甲高い高音のノイズ音に、低音で重たいギターサウンド。犬の鳴き声のようなボーカル怒声が彼らの特徴だ。重さを重視したスローテンポなハードコアに1分台のファストな曲。そしてノイズまみれな録音状態。カオスで汚くヘヴィーでノイジーなハードコアなひしゃげたサウンドなのだ。

 

スパイというバンド名と、忍者の手裏剣のアルバム・ジャケットや“サービスな武器”という曲のタイトルにいたるまで、ジョークのように思えるが、極限まで汚くノイジーなハードコア・アティテュードにあふれた作品であることに間違いはない。

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