サンノゼ出身のニュースクール系ハードコア・バンドの2枚目のEP。近年オールド・スクール系のハードコアが増えているなか、ひさびさにニュースクール・ハードコアを展開しているバンドもいまとなっては貴重な存在だ。
Unbroken(アンブロークン)やDownset(ダウンセット)、TERROR (テラー)などのヒップ・ホップやメタルなどを取り入れた90年代の西海岸ハードコアのからの影響が強く、そのバンドたちと同じく、マイノリティーで虐げられた強烈な被害者意識と、ストリートな不良の匂いがプンプンするバンド。
暗闇で静かにブンブンうねるベースやハンマーで潰すような金属質なギターなど、西海岸特有のニュースクール・ハードコア・サウンドをベースに、ガテラルボイス(下水道ボーカル)や、シンガロングやブラストビートに、テンポとスピードが急激に上がっていくフレーズなどを取り入れ、さらに進化したニュースクール・ハードコアを展開している。
アルバム・ジャケットが象徴している通り、歌詞は警察を攻撃した内容が多い。そこでは、賄賂を要求し、庶民に安全を提供しない警察への怒りと憎悪で満ちている。
緊迫した静けさに、ハンマーのような重厚な金属質のギターとのコントラストと、ブラストビートの変則的なドラムとの絡みなど、サウンド的にもオリジナリティがある。虐げられた者の憎悪もある。激しい怒りこそ感じないが、展開などを練られた、重くヘヴィーでかっこいいサウンドを展開している。個人的には結構好きなサウンド。