元Gather(ギャザ)のメンバーによって結成された、カルフォルニア出身のヴィーガン・ストレートエッジ・バンドの20年に発表されたデビュー作。Rage Against the Machine(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)やUnbroken(アンブロークン)からの影響が強く、ヒップ・ホップとメタルとハードコアを融合した90年代のリバイバル・サウンドで、女性ボーカルEva(エヴァー)の、甲高く怒気を含んだ扇情的なボーカルが印象的なバンドだ。
歌詞は、ヴィーガン・ストレート・エッジいった内容よりも、もっと幅広い社会問題について取り上げている。“Where We Stand(私たちが立っている場所)”では、利益追求のため多国籍企業の上級階級の人たちが、下層階級の富を搾取し、有毒な空気と水を作り出し、森林破壊を進めていると、怒りを込めて歌っている。“stay true (真実を保つ)”では、前世代的な考えである物質主義と家父長制をら否定し、“All We’ve Got (私たちが得たすべて)”では、お互いのエゴを捨て、意見を聞き入れることが、ともに成長していく秘訣だと訴えている。
反グローバル企業から反支配者階級、資本主義への反発、アニマルライツに男女平等まで、幅広いテーマを取り上げているが、人間や動物を問わず、すべて平等でなければいけないという理念を掲げている。まるでマルクスのような社会主義的な思想と、すべてが平等という一貫した考えを持ったバンドのだ。
Rage Against the Machine(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)の考えをさらに推し進め、女性的な考えを加えたバンド。ストレートエッジがヴィーガン・ストレートエッジに進化したように、90年ポリティカル・ハードコアも進化しているのだ。