Banzai(バンザイ)
『 Swan Song Lullabies (スワン・ソング・ララバイス)』

バーモンド州出身のハードコア・バンドによるデビューEP。バーモンド・ハードコアでも有名だったGet a Grip(ゲット・ア・グリップ)、 Tetsuo(テツオ)/Sink or Swim(シンク・オア・スイム)の元メンバーによって結成された。両バンドの良い部分を結集したのがBanzai(バンザイ)だ。

 

サウンドはメタリックなニュースクール・ハードコアを中心に、Ruiner(ルイナー)やModernLife Is War(モダンライフ・イズ・ウォー)に影響を受けたメロディック・パートを融合。ヒップホップの要素が入り混じった歌い回しの怒声ボーカルに、ミディアム・テンポのニュースクール(90年代)な曲調と、エラー音のような危機感に満ちたギターという新しい要素が融合した、90年代ニュースクール・ハードコアの進化系サウンド。

 

その音は怒りと不安と危機感を孕み、“Alive and Well(アライヴ・アンド・ウエル)”の歌詞の一節にある<悪徳、違いはない美徳/アメリカの娯楽は限界に追いやられている>は、破壊的な中毒と不安を避けることがアメリカの理想とライフスタイルになったという意味らしい。要するに政治ではレイシストで破壊主義者のトランプの横暴を見て見ぬふりをして、アメリカが破滅的な現実に直面することを避けているアメリカ国民が許せないらしい。

 

ポリティカルな考えを持ったバンドで、サウンド的にも彼ららしい個性がある。この先の活動が楽しみなバンドなのだ。

こちらから視聴できます。