DRAIN(ドレイン)
『California Cursed (カルフォルニア・カースド)』

2020年に発表したカルフォルニア州サンタクルズ出身のクロスオーバー・ハードコア・バンドのファーストアルバム。EPとシングルを合わせると、4作目となる作品になる。いろいろな音楽性を試したEPを経て発表された作品とだけあって、彼らの個性が確立した作品として仕上がっている。

 

そのスタイルは、Merauder(メラウダー)やMADBALL(マッドボール)のニューヨークのニュースクール・スタイルにPower Trip(パワー・トリップ)のクロスオーバーをブレンドさせたサウンド。そしてそこにSuicidal Tendencies(スイサイダル・テンデンシーズ)やCOCOBAT(ココバット)のような格闘技やスケーターとリンクしたハードコアの楽しさが漂っている。

 

『California Cursed (カルフォルニアは呪われている)』と名付けられた今作では、スラッシュメタルなリフをハードコアの重く金属質な音で弾き、高速なモールス信号のように急激に遅速の切り替わっていくめちゃくちゃなサウンド。

 

だがそこにはサーフィンでサメに襲われるリスクを冒しながらも、ビッグウェーブに挑んでいくような、スリリングで過激なハードコアがある。不協和音をものともせず、自分たちしかない個性的なサウンドを目指しているチャレンジ先進を感じる。どことなく90年代の懐かしさを感じつつも、海の魅力と楽しさが漂っている。好感の高いハードコア・バンドだ。