カルフォルニア州サンノゼ出身の新世代を代表するハードコア・バンドの日本限定盤。この作品ではGulch(ガルチ)とのスプリットから2曲と、2022年に発表された『Promotional(プロモーショナル)』から3曲、計5曲が収録されている。
Madball(マッドボール)やMerauder(メラウダー)から進化したビートダウン・ハードコア。ビートダウン・ハードコア特有のスローテンポに、振り下ろすハンマーのような重たくメタリックなリフやテクニカルなギター・アレンジを加え、さらに進化させたのがSunami (スナミ)だ。
5曲とも今までの作品とは変わらずSunami (スナミ)らしいサウンドを展開している。マフィアのような静けさと重く落ち着いた雰囲気のなかに、重たくヘヴィーなギターのリフが、緊迫した空気を切り裂くようなサウンド。そこにはハードコア特有の激しさやアグレッシブさや怒りに満ちた躁状態のけたたましさはない。無機質で無慈悲に人を殺していくようなブルータルな残虐さと冷たく醒めた感覚がどこか漂っている。
“I Don’t Care(私は気にしない)”、“Fake Blood (偽の血)”、“Die Slow(ゆっくり死んでいく)”、“Step Up(ステップアップ)”という曲のタイトルが示す通り、ゆっくり死んでいるのを気にしないでいる冷血なブルータル性が、Sunami (スナミ)の個性だということが理解できる。
最新の曲で構成された内容で、このアルバムを聴くだけで、Sunami (スナミ)の魅力が理解できる作品なのだ。