元Faith No More(フェイス・ノー・モア)のMike Patton (マイク・パットン)、元The Locust(ロカスト)のJustin Pearson (ジャスティン・ピアゾン)、元SLAYER(スレイヤー)のDave Lombardo (デイヴ・ロンバード)、元RETOX(リトックス)のMichael Crain (マイケル・クレイン)の、豪華メンバーによるエクスペリメンタル・ハードコア・バンドの2作目。
奇抜でアヴァンギャルドなサウンドを追求してきたMike Patton (マイク・パットン)や、バッタの格好をし電子音楽とグラインドコアを合わせどこにもない音楽を追求してきたJustin Pearson (ジャスティン・ピアゾン)と、これだけ個性的なメンバーが集まり、2作も作品を発表している時点でかなりすごいことだが、前作を上回る作品に仕上がっている。
前作は壮絶ブラストビートや、躁病のようにかきむしるギターから、ヒステリックな金切り声の絶叫、邪悪な念仏のようなボーカルなど、いろいろな邪悪な要素が渦巻くカオスでノイジーなサウンドだったが、今作ではダークにメロディックに深化している。
とくにメロディーはダークで妖しげな輝きが増し、不穏さとエロティックが入り混じっている妖艶さを放っている。ときにサイケデリックな幻覚さもあれば、竜巻のように狂ったように激しく上昇していくメロディーもある。なかでも“Reign of Error(レイン・オブ・エラー)”は、スラッシュメタルのような超高速なギターが印象的な曲で、まるで戦争の恐怖を閉じ込めたような巨大な権力による暴力とカオティックな混乱に満ちている。
ここで歌われている内容は、平和交渉力の能力のない無能な政治家や戦争と人々、反キリストやサタニズムを掲げた悪魔教などについて。アルバムは、怒りや恐怖からエロティックな妖艶さなど、相反する感情が、混乱するほどカオティックに渦巻いている。
Mike Patton (マイク・パットン)の奇妙なメロディーと、Justin Pearson (ジャスティン・ピアゾン)のサンディエゴ・ハードコアの狂暴さに、Dave Lombardo (デイヴ・ロンバード)のスピード感を合わせた、エクスペリメンタルでどこにもない唯一無二のサウンド。ものすごい作品だ。