Ignite(イグナイト)

オレンジカウンティー出身のベテラン・メロディック・ハードコア・バンドの7作目。21年9月にEli Santana(エリ・サンタナ)にボーカルがメンバーチェンジをし、新たに再出発した作品。

最高傑作だった2006年に発表された5作目の『Our Darkest Days(アワ・ダークネスト・デイズ)』は、Liftime(ライフタイム)系のメロディック・ハードコアをベースに、メロディーアレンジ強調し、さらに磨きのかかったサウンドを展開していた。

神経質で扇情的なメロディーに、熱く勢いよく疾走していくスピーディーなドラム。間段なき息をつく暇もない展開。今作でも基本路線は変わっていない。あえて変わった部分を挙げるのなら、じっくり聴かせる曲や暗い陰りなどの深みなどの要素が加わったところか。

やはりボーカルがEli Santana(エリ・サンタナ)に代わったことで、音痴気味だったZoltán Téglás(ゾリ・テグラス)よりも、エモーショナルな感情が伝わってくる。その歌声は、怒りと前へ進んでく熱意に、爽やかな後味がある。

サウンドもさることながら、彼らの思想や信念は初期のころから一過してブレない。今作でも富を搾取する富裕層への批判や、人種差別などのテーマを取り扱っている。

どんなに作品を重ねても、初期のころから一貫してブレない熱さと攻撃性。パンクを好きになった原点を思い出す。信念を貫いている姿勢も素敵だ。個人的には好きなバンドだ。