じつに3年ぶりとなる9作目。96年の結成以来、動物虐待の悲惨な恐怖、人類による環境破壊、人間が工場で飼育され大量虐殺される世界など、アニマルライツや環境保全、ヴィーガン・ストレートエッジという観点で、様々なテーマを取り上げていた。
今作のタイトルは、地球を意味する
今作では昼間のホラーがサウンドコンセプトになっているそうだ。今作でもプロミングドラムのような連射ドラムを中心としたデス・メタル/ゴア・グランドなサウンドを展開している。そこにピアノやシンセや地獄のデス声、クリーボイスからギターソロ、叙情的なメロディーのギターサウンドなどを加え、地球の危機を煽るような壮大なサウンドスケープを描いている。ダークな色彩が強かった前作よりも、絶望的だが明るい色合いのメロディーを取り入れ、ボーカル、ギター、ドラムなどの個々のパーツが明確になったネイキッドなサウンドに変化している。
いままで見えなかったダークな部分が白日の光にさらされることで、より肉体的で迫力のあるサウンドに仕上がっている。裸むき出しのネイキッドなサウンドが、クリーチャーが貪り食い尽くす姿を、白日の下にさらし、おぞましさや怒りを掻き立てるサウンドに仕上げている。最後の曲“Just Another Body(ジャスト・アナザー・ボディー)”では、絶望的なトーンのピアノから、プログラミングドラム、絶叫、デス声、クリーボイスと、危機から絶望に向かっていく物語のように変化していく展開で、デスメタル/ゴアグランドの新境地を開いている。
個人的にCattle Decapitation(キャトル・デカピテイション)というバンドに惹かれる理由は、欲望を貪る人類全体への嫌悪感を、惨殺される動物や醜い生物に置き換え、比喩として人間の愚かさを歌った部分にある。サウンド的にもデスメタル/ゴアグランドのなかで、最先端のサウンドを展開しており、独特な個性を放っていて、今作も素晴らしい作品だ。