Dead Bars(デッド・バーズ)
『Sinkhole EP(シンクホールEP)』

シアトル出身のメロディック・パンク・バンドの2作目のEP。初期のころはRancid(ランシド)の影響の強いサウンドで、デビュー作の『Dream Gig(ドリーム・ギグ)』では、Ramones(ラモーンズ)やMisfits (ミツフィッツ)の影響が色濃い、8ビートのパンクな作品だった。そして出世作となった『Regulars(レギュラーズ)』では、Dinosaur Jr (ダイナソーjr)ばりのノイズポップなギターで、メロディックなイントロフレーズが印象に残る作品であった。バラード曲などもあり、アルバムを重ねるごとに、よりポップにメロディーが円熟味を増していった。

そして今作では、黄昏たメロディーから、アコースティックギターのポップな曲など、さらにメロディックな方向に幅を広げた。相変わらず熱い想いを、がなり上げるスタイルのボーカルは健在で、そこにスローな曲から、屈折したポップ感などを取り入れ、より甘酸っぱい青春ぽく仕上がっている。

いままで間違った場所で愛を探しているだとか、報われない恋について歌ってきた彼らだが、今EPでは、<陥没穴で死ぬつもりだ>とか、自暴自棄になっている内容が目立つ。相変わらず愛のために惨めな思いをするラヴシックな内容が多い。

もてない男のコンプレックスや屈折した青春と甘酸っぱさなど、前作以上にポップで青春度が増した作品。アメリカのスクール・ドラマのようなエネルギッシュさを感じる、いまどきのメロディック・パンク・バンドらしい作品だ。