ミシガン州グランドラピッズ出身のエモーショナル・ハードコア・バンドの2作目。このバンドもTouche Amore(トゥーシェ・アモーレ)から進化した、次世代のスクリーモ・シーンを担うバンドのひとつ。だがTouche Amore(トゥーシェ・アモーレ)よりも、エモよりで、さらにメロディックなサウンドを展開している。
前作『Novice(ノービス)』は、野太いギターと男くさい怒声ボーカルに、穏やかで美しく儚いメロディーとのコントラストが激しさのなかで脆い心の弱さが揺れ動いている作品だった。今作でもそのサウンドの延長上にある作品で、繊細で静寂なメロディーは薄れ、ギターはさらに激しさがさらに増した作品に仕上がっている。
『悲しみと降伏』と名付けられた今作では、後悔や家族の病気、静寂な祈りなど、後悔からくる悲しみといった内容の歌詞が多い。
音の空間を活かしたミニマムなギターのメロディーには、暗い陰りと悲しみを帯び、激しいギターと憤りに満ちた怒声は、何もできない無力さと深い悲しみを覆っている。
後悔という激しさと何もできない叫び、憂いと悲しみに帯びた脆弱なメロディーのコントラスト。Leatherface(レザーフェイス)やHot Water Music(ホット・ウォーター・ミュージック)を彷彿とさせる武骨な男くささと哀愁。エモのアップダウンをさらに強調し、より激しくよりメロディック進化させたバンドなのだ。