EASYCOREイージーコア・シーンについて(2008~)

 
On The Open Road(オン・ザ・オープン・ロード)
On The Open Road(オン・ザ・オープン・ロード)
出典:twitter
イギリスはノッティンガム出身のバンド。ブリンク182やニュー・ファウンド・グローリーからの影響が全くない独特なサウンド。ノイジーなメタルコアギターをメロディーコードに強引に載せ、ポップで楽しげなボーカルと、呪詛に満ちたデス声が屈折したポップ感を演出している。UK初期パンクからの影響も感じ、イージーコアのなかでは異彩を放っている。
 
Hooligans(フーリガンズ)

出典:PUNX SAVE THE EARTH
アメリカはテキサス出身のバンド。マシンガンのようなドラミングが印象的で、Cartel(カルテル)の影響が強い爽やかなボーカルとコーラス、メタルコアの重いリフ、サビのデス声と、目まぐるしくスピーディーに変わる展開がこのバンドの個性。爽やかな青春系のバンドだ。
 
Sink The Ship(シンク・ザ・シップ)
Sink The Ship(シンク・ザ・シップ)
出典:NEW NOISE MAGAZINE
アメリカはクリーブランド出身。ア・ディ・トゥ・リメンバーの進化系。イージーコアのなかでも完成度の高いサウンドを展開している。メタルコア度が高く、全体的にヘヴィーで暗く、ブリンク182やニュー・ファウンド・グローリーからの影響は全くない。パーティ的な楽しさはない。人間の陰の部分にスポットを当てたシリアスでダークスタンスがこのバンドの魅力。
 
Settle Your Scores(セトル・ユア・スコアーズ)
Settle Your Scores(セトル・ユア・スコアーズ)
出典:ROCKSOUND
アメリカはシンシナティ―出身。第二世代のメロディック・パンクから発展したサウンドだが、独特なメロディーと意外性に富んだ曲の展開が魅力。イージーコアの特徴であるデス声とメタルコアのリフも、スクリーム気味でスラッシュメタルのテクニカルなギターに変え、シンガロング・コーラスから北欧ポップやエジプトなどメロディック・パンク以外から影響の受けた変わったメロディーを奏でている。このなかで一番変わった個性を持っている。

 

ここで挙げたのは12バンド。ほかにもWe Set Signals(ウィー・セット・シグナルズ)やCan’t Bear This Party(キャント・ベア・ディス・パーティー)、Bad Case Of Big Mouth(バッド・ケース・オブ・ビックマウス)、Arrivals(アライバルズ)、Cut Your Losses(カット・ユア・ロセス)と、挙げたらきりのないくらいの数のバンドが存在する。それほど近年シーンは盛り上がっているのだ。イージーコアを代表するレーベルは、SharpTone Records。アメリカ以外のバンドが多いのも、このシーンの特徴でもある。シリアスさや嫉みに満ちたデス声とメタルコアのリフを、バカバカしさにデフォルメしてパーティーのように極上のポップに聴かせる楽しさと面白さ。それがイージーコアの魅力ではないだろうか。メロディック・パンクは確実に進化している。