Grindcoreグラインドコア・シーンについて

リパルジョン
出典:The Metal Observer

Repulsion(リパルジョン)

ここではDVDの流れにそってグラインドコア・バンドを紹介したい。このDVDでグラインド・コアの先駆者として語られているのが、アメリカはミシガン州出身のRepulsion(リパルジョン)。NAPALM DEATHらのグラインド・コアを確立したバンドたちに多大な影響をあたえたバンド。派手な叫び声と極限に歪んだダウンチューンされたギター、オーバードライブされたパンクなリフ。ゴロゴロと鳴るベースライン、そして彼らが先駆者と呼ばれるゆえんである特徴的なマシンガン・ドラム。ゾンビの流行から核戦争など、幻想的な終末論をテーマに掲げた歌詞。ハードコアより速くより汚く進化し、グランド・コアとデスメタルのサウンドとアティテュードを作ったバンドなのだ。
ナパームデス
出典:Bandcamp

NAPALM DEATH(ナパームデス)

グラインドコアの創始者。1分にも満たないファストな曲。重厚でノイズまみれのリフ、ブラストビート、怨霊のようなデス声、政治批判をした歌詞。グラインドコアのサウンド・スタイルを確立した。現在オリジナルメンバーが一人もいないバンドで、このDVDではChaos UK (カオスUK)やDischarge (ディスチャージ)に影響を受けながら徐々にオリジナルティーなサウンドを形成したプロセスを語っている。すべてのグラインドコアは、NAPALM DEATH(ナパームデス)から始まった。
ブルータルトゥルース
出典:Spotify

BRUTAL TRUTH(ブルータル・トゥルース)

NAPALM DEATH(ナパームデス)と並びグラインドコアの重鎮といわれるBRUTAL TRUTH(ブルータル・トゥルース)。ブラストビートよりもさらに速いマシンガンの連射のようなドラム。まさにブルータルという言葉が相応しい冷酷で厳しい野生味あふれたギター。野獣のように低くドスの効いたデス声。スピードを重視しテクニカルな要素とグラインドコアにドゥームを合わせたサウンド。BRUTAL TRUTH(残忍な真実)というバンド名が示唆する通り、歌詞は人間不信や、人間同士の憎しみあい、人間の内面にある残忍さについて歌い、現実社会の暗部をえぐり出している。このDVDではオリジナルティーを確立し、人気を獲得した経緯から、14年の解散に至った理由まで、奥深い内容のインタビューとなっている。

出典:songful

Nasum(ナザム)

スウェーデン出身のバンド。グラインドコアのなかでも、スウェーデン国内のバンドからの影響が強くバリバリ割れたノイズギターからは、Entombed(エントゥームド)やCARNAGE(カーネイジ)などのスウェーデン・デスメタルからの影響と、曲の簡潔さからはANTI CIMEX(アンチ・サイメックス)のハードコアの影響を感じる。シンガロングなどのパンクスタイルもうまいことグラインドコアに取り入れ、彼ららしい個性を確立している。チェルノブイリ原発事故を批判するロシアの写真家、アナトリー・ズダノフの写真を採用したアルバム・ジャケットや、映画『マトリックス』のコンピュータが人間を家畜として飼う世界観をモチーフにしたコンセプトの歌詞からは、政治批判を貫く姿勢と、人間の愚かさを歌ったバンドだということが理解できる。DVDでは、04年にボーカルのミエツコが休暇先のタイのピピ島で、スマトラ地震の津波にのまれて亡くなる悲劇が起きた出来事について語っている。その時のエピソードと、残されたメンバーのミエツコに対する悲しみと、いまだ癒えない心の傷を、赤裸々に語る姿には胸が苦しくなった。

Slave To The Grind A Film About Grindcore

Death By Digital