ニューヨークはブルックリン出身のパワーバイオレンス・バンドのデビューEP。
Man Is the Bastard(マン・イズ・ザ・バスタード)のようなパワーバイオレンスをベースに、Trash talk (トラッシュトーク)やNAILS(ネイルズ)のノイジーで凶暴なハードコア、Integrity(インテグリティ)のようなブラック・メタルとハードコアを融合したサウンド。
落書きに汚れた壁や、穴だらけのフェンスやうち伏せられたコンクリートなどのスラムをイメージさせるやさぐれたサウンドで、そこに悪魔や死神的な暴虐な要素を加えた。
怒りや痛み、憎しみに後悔、そして悲しみなどの負の感情をゆっくりと刻むスローテンポなドラム。激しく重くカオティックでノイジーなギターにあるダウナーな感情。暗闇のなかで静かにブンブンとうねるベース。聞き取りづらくエコーのかかったノイズ・ボーカル。すべてがノイジーでカオティックなパワーバイオレンス。
歌詞は、蠅の光輪、集団墓地からの撤収など、サタニックで醜さのなかに高貴な美意識をもった内容が多い。
ノイジーでカオティックなパワーバイオレンスに死神的な世界観を合わせ唯一無二の個性を持ったRabbit(ラビット)。Discharge(ディスチャージ)のように反戦や戦争の残虐さを歌ったバンドが多いパワーバイオレンスのなかでも、かなり独特なサウンドと世界観を展開している。このバンドも最先端のヘヴィネスを追求しているバンドなのだ。