Bent Blue(ベント ブルー)
『Where Do Ripples Go? (ホエアー ドゥ リップルズ ゴー?)』

サンディエゴ出身のエモーショナル・ハードコア・バンドの2作目のEP。前作ではLifetime(ライフタイム)やDAG NASTY (ダグ・ナスティ―)などの、メロディックなエモーショナル・ハードコアから、もろに影響の受けたサウンドを展開していた。今作ではいろいろな要素を取り入れ、進化している。

前作のように勢いだけで突き抜けるのではなく、じっくり聴かせる曲やアレンジのバラエティーが今作では増えた。ぐいぐい進む野太く力強いギターに絡む暗い陰りのような憂鬱なメロディー。岐路に立たされ悩み葛藤しているようなボーカル。豪快さと繊細さ、希望と絶望、情熱と憂鬱、前進と煩悶で心が揺れ動いている。

歌詞は、報われない努力や、自分の行動が悪い結果へとつながる不安など、思春期特有の暗さが漂っている。

前作は熱さと爽やかなメロディーに向こう見ずなギラギラした若さが漂っていたが、痛みを経験した人物にしか理解できない恐怖や悩みが今作ではある。そういった意味では人間的な成長を感じる作品に仕上がっている。

Bent Blue(ベント ブルー)の魅力とは、リアルタイムで感じた心情や、乗り越えた成長、心の表と裏を、野太いギターサウンドと繊細なメロディーに乗せ、表現するのがうまいところにある。

今後どんなサウンドになるか、楽しみなバンドなのだ。