Nightfeeder(ナイトフィーダー)
『Cut All of Your Face Off (カット・オール・オブ・ユア・フェイス・オフ)』

シアトル出身のクラストパンク・バンドの2作目。『Rotten–Demo』ではDischarge(ディスチャージ)のようなハードコアを展開。『st EP』ではクラスト・コアに変貌を遂げた。

そして今作ではアメリカのスラッシュコアとスカンジナビアのクラストを融合したサウンドを展開している。Extreme Noise Terror(エスクトリーム・ノイズ・テラー)やDoom(ドゥーム)などの、アメリカでは珍しいタイプのイギリスから影響を受けたバンドで、音の壁のようなノイズギターと80年代を彷彿とさせるDビートとスラッシュコアの融合が彼らの特徴といえるだろう。

歌詞は、死者数を数えるや死神の収穫、埋蔵など、戦争による死や精神的苦痛、残虐さなど、クラストコアらしいテーマを取り上げている。爆撃などの戦争の残虐さをイメージさせるギターの音の壁。死体が連なる走馬燈のように流れていくDビート。戦争の現場のような暴虐なサウンドなのだ。

アメリカでは珍しいスカンジナビア・イギリスのクラストコアをベースにしたサウンド。そこにアメリカ的なスラッシュコアを取り入れ、オリジナルティーを確立。80年代的な古さが全体から漂っているが、若干新しさを感じるサウンドだ。