The War Goes On(ザ・ウォー・ゴズ・オン)
『Discount Hope(ディスカウント・ホープ)』

デンマークはコペンハーゲン出身のパンクバンドの4作品目となるEP。ワーキングクラスな男くささとノイジーなギターが特徴のパンク・バンド。

今作もSHAM69のような初期パンク・ベースにした男くさいパンク・サウンドに変わりはない。前作までと比べると今作では、男くささと渋みが増している。

とくにメロディーに重点を置いており、思慮深い哀愁が漂っており、メロディーに深みが加わっている。ボーカルは感情の制御の効いた低い声に変わり、ギターのメロディーは暗く落ち着き払っている。全体的に暗い哀愁が漂っている。前作まではデンマーク特有のメロディーもあったが、今作ではイギリス色がかなり強く仕上がっている。

<戦争は続く>というバンド名に象徴されるように、“憂鬱な月曜日”や“クソみたいな人生”、“最も暗い日々などの人生”など、社会の暗部やネガティヴでダークな一面にスポットをあてた内容が多かった。今作も前作と同様、“私は被害者”とか“死のカルト・ブルース”など、ネガティヴな内容が多い。

まさに北欧のデンマーク人らしい憂鬱や絶望への賛歌。絶望や憂鬱な気分であることのすばらしさを歌っている。これも日本人的な感覚では理解できない部分もあるが、いままでのパンクバンドにはなかった独特な考えと個性がある。

サウンド的な目新しさがこそないが、デンマーク人らしい新しい感覚のアティテュードを提示したバンドなのだ。