ワシントン州オリンピア出身のパワーバイオレンス・バンドのデビューEP。ワシントン州とはシアトルが首都でその近郊にある都市がオリンピアだ。
日本語で<戦闘用ドラッグ>という意味のバンド名で、孤立や孤独、誰にも相談することができない孤独死などについて歌っている。
サウンド的にはオーソドックスなパワーバイオレンスだが、女性ボーカルと男性のツインボーカルのバンドだが、女性なのか男性なのか判別できないほど、ボーカルにはディストーションがかけられている。ディストーションは楽曲全体にもがかけられていて、マシンガンのようなブラストビートのドラムから、歪みまくったノイジーで暴力的なギター、ノイズによってかき消される断末魔のような絶叫ボーカル、すべてが不快で汚く、孤独の恐怖や悲惨さをイメージさせるサウンド。コミュニケーション不全の隔絶された世界観がある。
これほどあえて録音を悪くした不快なディストーション・サウンドを追求しているバンドもいない。そこの部分だけ焦点を当てれば、これほど個性的なバンドもいないだろう。