Judiciary(ジュディシエリィ)
『Flesh + Blood(フレッシュ+ブラッド)』

テキサス出身のメタリック・ハードコアバンドの2作目。Earth Crisis(アース・クライシス)やALL OUT WAR(オール・アウト・ウォー)から発展・進化したメタリック・ハードコア。

前作までは、ブンブンうねるベースから、ブルータル色の強いギター、シリアスで静けさに満ちた緊迫した空気感など、90年代以降のハードコアやメタルをふんだんに取り込み、バラエティーに富んだ楽曲を展開していた。

今作では前作よりも、よりメタルに、よりブルータルに、よりストナーに、レベルアップしたサウンドを展開している。スローテンポから連射のようなブラストビートにテンポが変わる不規則なリズムを刻むドラム、判決を下すハンマーのように重厚なベースー、狂人のようにきゅるっと鳴るギターのリフ、不吉な東洋的なメロディーなど、At the Gates(アット・ザ・ゲイツ)やLamb of God(ラム・オブ・ゴット)、Chimaira(キマイラ)、GOD FORBID(ゴッド・ファビド)からの影響を感じさせる最先端のメタルやハードコアを取り込み。すべてが迫力あるサウンドにパワーアップした。

Judiciary(司法)を意味するバンド名が象徴しているように、アルバム全体からは、厳かでシリアスなムードが漂っている。メタリック・ハードコアにありがちな、狂人のような狂った世界観や、怒りや憎しみといった感情はない。緊迫した空気のなか、厳しい雰囲気に酔うようなカタルシスがある。それがこのバンドの魅力といえるだろう。

Vein.fm(ヴェインfm)やJesus Piece(ジーザス・ピース)やGulch(ガルチ)、Candy(キャンディー)に匹敵する、まさに新世代のハードコアと呼ぶにふさわしいサウンドを展開しているバンドなのだ。