シカゴ出身のハードコア・バンドのデビュー作。TURNSTILE(ターン・スタイル)やZULU(ズール)、 SCOWL(スカウル)、END IT(エンド・イット)と並び新世代のハードコアを代表するバンド。
黒人女性ボーカルのBryanna(ブライアンナ)を中心に、ドラム、ベース、ギターの3人が白人で構成されたバンドで、Maximum Penalty(マキシマム・ペナルティー)経由したEND IT (エンド・イット)から、Leeway (リーウェイ)に、WARZONE(ウォーゾーン)、MADBALL(マッドボール)などのニューヨークハードコア、ZULU(ズール)のようなサンプリングなど、アラビアンなメロディー、カントリー風のサウンド、ブレイクダウン、高速パート、メタリック・ハードコアのリフなど、いろいろな要素を融合したサウンドが特徴だ。シカゴのバンドらしく音楽的にマニアックで、オリジナルティーあふれるハードコアを展開している。
歌詞はくだらない仕事なのに十分な給料をもらっていないや、女性やトランスジェンダーを見下す男性中心のハードコアシーンの批判など、日常的な不満とフラストレーションについて歌っている。甲高い叫び声で激しい怒りに満ちたBryanna(ブライアンナ)のボーカルが、苛立ちを苛烈に吐き捨てている。
80年代のニューヨーク・ハードコアのリフから、アラビアンやカントリーなどの古典的なメロディー、ZULU(ズール)やEND IT (エンド・イット)などの現代的なハードコアの要素を、合体怪獣のように最強の部分だけ融合した。その新しいサウンドは、まさしく新世代を代表するハードコア。今年のベスト10に入ってくる注目の作品。